作品名:なんちゃってソードレボリューション
作者:殻鎖希
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幕間Mission ソードレボリューションNG集

フィズ「よう。みんな、楽しんでるかい?
 ここでは、ソードレボリューションの本編ストーリーにちなんだNGシーンをどっさり用意してあるんだ。
 今までのパロディとは、また違った趣で楽しめると思うから是非読んでみてくれよな。
 そうそう。もしもまだ長編小説『ソードレボリューション』及び『ソードレボリューション2』を読んでいないっていう人は、先に本編の方を読んでおいた方がいいかも知れないぜ。ここから先はソドレボ1は勿論、ソドレボ2のネタバレ的な内容も沢山掲載されてるみたいだからな。
 それじゃあ、存分に楽しんでいってくれよ」


NG1 しっかり者の相棒
ソードレボリューション Mission1より

「逃げなさいよ!」
 悲痛なパグラムの叫びが胸に痛んだ。
 何故だ、パグラム?俺とあんたはついさっき知り合ったばかりだろ。赤の他人同士なんだ。そこまで俺を心配してくれる義理はないんじゃないのか?
 いや……そいつもお互い様かな。
「フィズ……」
 そんな風に俺の名を呼ぶんじゃねえよ。
「お願……い……」
 突然に彼女の声が弱々しくなり、やがて消えてしまう。続いて耳の飛び込んだのは、何かが倒れる鈍い音。
「パグラム?」
 俺は思わず、彼女の方へと視線を配った。
 そこには……
「私がいない間に、綺麗な女の人といちゃいちゃしてるなんて……良い根性してるじゃない。
 覚悟は出来てるわよねぇ……フィズ」
 そこには……怒り心頭のミレアが佇んでいた。彼女の足下にはパグラムが転がっている。どうやら不意をつかれて後ろからどつき倒されたらしい。
 俺は、生まれて初めて本当の恐怖というものを知った。

NG2 史上最強の母ちゃん参上
ソードレボリューション Mission2より

「ここが……」
 疲れのせいか、あるいは無惨な眺めのせいなのか。ミレアは言葉を失っていた。
 ミレアだけじゃない。俺だって、目の当たりにした瞬間は驚いたさ。
「何があったんだろうな?」
「大規模な自然災害の跡……ってのが、一番妥当だと思うけど。地震とか火災とか、例えばそういうの」
「状況から見ると、その可能性が高いな。だが、辻褄の合わない点もある。
 とにかく……ん?何だ?」
 ふと気になる事があって、俺はその場に視線を落とした。
 いつの間に来たのだろう。俺達の前には幼い女の子の姿があった。髪は乱れ、服も煤と埃にまみれている。その他には誰もいない。
 女の子は口を開いた。
「これ、ウチの母ちゃんがやったんだよ」
『……へ?』
 間抜けな声でハモる俺とミレア。
「ウチの父ちゃんの浮気がバレて、怒り心頭で暴れ回ったらこんなになっちゃったの。
 母ちゃん怒ると凄いんだ〜。この町、今までに五回くらい壊滅させられてるよ」
「……帰ろうか、ミレア」
「……そだね」
 妻は強し。母はもっと強し。
 俺達は無駄な抵抗を諦め、家路についたのだった。

NG3 デカすぎたジョーナンド
ソードレボリューション2 Mission1より

「そこにいるのは……フィズ・ライアスか?」
 背後から、俺の名を呼ぶ声が聞こえてきた。
 耳に馴染んだ声だ。俺がこの声を忘れるはずもない。
「奇遇だな、ジョーナンド」
 後ろを振り向く。そこには、いかつい顔つきをした大男が立っていた。その身長はゆうに五メートルを越えている。
「デカッ……」
 表情を強張らせて、ミレアが一歩後ろへと退いた。
「相変わらずデカいな。一体何を食ったら、そんなに健やかに育つんだ?」
「おいおい、そりゃあ一種の問題発言じゃねえか」
 ニッと白い歯を除かせて、この巨人は俺の隣にどっかりと腰を下ろした。その直後、嫌な音を立てて椅子が壊れる。
「………………」
 ミレアが視線で『この男、何者?』と問いかけてくる。そう言えば、彼とミレアには面識がなかったっけ。
 説明しようとした矢先に、先程のウエイトレスが椅子の修理代を求めて俺達の席へとやって来た。

NG4 ものすごくベタですけれども……
ソードレボリューション2 Mission2より

 応援を呼びに行ったはずのヘルゼーラがまだこちらに戻ってきていない。いくら何でもそろそろやって来てもいい頃なんだが……
 まさか、何かあったのか?
 俺の懸念が確信に変わったのは、その直後の事だった。
「お探しの相手はこの子かな?探偵の坊や」
「誰だ!」
 すかさず反応し、俺は声のした方向に身を翻す。
 そこには一人の大柄な男が立っていた。全身は蒼きフードに包まれており、その右目には眼帯が付けられている。お顔から察するに年は三十から四十といったところか。まるでどこかの盗賊の頭とでもいった風貌だ。
 だが、それよりも俺が目を奪われたのは男が無造作にその手に掴んでいる二人の同一人物であった。
「……ヘルゼーラ?」
 驚きを隠せぬ俺に、隻眼の男は努めて冷静な口調でこう訊ねかけてきた。
「あなたが泉に落としたのは、金のヘルゼーラですか?それとも、銀のヘルゼーラですか?」
 ……とりあえず、こういう場合は正直に答えたもの勝ちなんだよな。そう判断した俺は、極めて正直な突っ込みを入れた。
「そもそも、スクールには泉なんてねえよ」

NG5 フィズ・ライアスの天然ボケ
ソードレボリューション2 Mission2より

 それはまさに突然の出来事だった。アニタが口を閉ざすや否や、俺の背後に蠢く気配が生じる。
 何かいる!
 訝しがる暇もなかった。アニタを突き飛ばし、俺はさっと横に跳ぶ。
 倒れ込みながらもアニタはなおも笑みを崩そうとはしない。
「貴様風情が偽物呼ばわり出来る存在ではないのだよ。そこに立つ物こそ、まさに人知を超えし生物なのだ!」
 さっと身を翻し、俺は剣を構えてその相手を見据えた。
 次の瞬間、背筋にぞっと寒気が走る。
 俺の眼前に立つ者……それはまさにこの俺自身だったんだ。成程、こいつは偽物なんてレベルのもんじゃない。まるで完全な生き写しだ。
 完全な生き写し……そうか、これは!
 かすれた声で俺は呟きを漏らした。
「何だ……鏡か」
 盛大な音を立てて、アニタはその場にずっこけたのだった。

NG6 姐さんはバイキング
ソードレボリューション Mission3より

「ライアス、タガーノ」
 操舵室から一人の女性が出てくる。
 長く伸ばした髪の上に乗っているのは、紛れもないキャプテンハット。二〇は越えているはずなんだが、あどけなさと悪戯っぽさの残った表情を見る限りでは、余裕に十代で通用する。
 バイキングの現長、その名もシルク・カズウェル。代々に受け継がれてきたバイキングの一族、カズウェル家の跡取り娘なのさ。
「よう、姐さん」
「お世話になってます」
 俺は気楽に、ミレアは礼儀に即して挨拶をした。
「悪いね。こっちも色々とあってさ。なかなか声がかけられなかったよ」
 至って気さくに、話しかけてくる姐さん。
「無理を頼んだのはこっちだからな。おかげで助かった」
「水臭いな、あたしとライアスの仲じゃないか。あんたは若いんだし、遠慮なんかしなくていいんだよ。どんと構えてな」
 いやいや、姐さんこそまだまだ若くて美しいだろうに。
「ところで、いつになったら食い放題の店に連れていってくれるんだい?」
 姐さんは表情一つ変えぬままに、こう言った。
「そのバイキングじゃねえよ」

NG7 セクハラ行為は犯罪です
ソードレボリューション Mission1より

 あの件から数週間後。
 久しぶりに、俺はアインの村を訪れていた。
 村長に案内され……俺は彼女の泊まる宿へとやってきた。部屋の確認も取る。
 ドアの前で一度深呼吸。続けてノックした。
「入るぜ、パグラム」
 ゆっくりと俺はドアを開いた。
 こざっぱりとした部屋。そのベッドに横たわる女性こそ、人喰い花の一件で知り合った、パグラム・ユーネルだった。
 パグラムは、ぐっすりと眠っていた。俺は無言で彼女に近寄る。
 これは……またとないチャンスだ。
 俺はそっとパグラムのベッドへと潜り込んだ。
 だが、次の瞬間。
「……っ!」
 不埒な気配を察したのか、パグラムはガバッと飛び起きた。
 アインの宿に、吟遊詩人の悲鳴がこだまする……

 あれから一年の月日が流れた。
 俺の手にかけられた手枷は、未だ解けない。

NG8 地獄の門番の趣味
ソードレボリューション Mission3より

「ケルベロス!」
 突進を避けて、マキが小さく呻いた。
「死戯が生み出す魔物の代表格だ。属性は天で、同時に三種の魔法を放つ事が可能だ」
「頭が三つなのはそのためかい?」
 唾を吐いて、オヤジは乱入者を一瞥する。
「いや……奴等にはもっと他の、重要な目的がある」
 マキの台詞に、訝しがるオヤジ。
「他の目的だと?」
「見ていればすぐに分かる……」
 マキが口を閉ざした、まさにその時。
 ケルベロスの頭の一つが突然けたたましい声を上げて喋り始めた。
「ちょっと、奥様。ご存じかしら?○○デパートで、バーゲンセールが開かれるそうよ」
 つられて、残りの二頭も甲高い声でわめき始める。
「んまあ、本当?それじゃあ早速、出かけなくっちゃあ」
「どうせ買うなら、少しでも安い物を買った方がお得ですわねえ」
「そうですとも。ホホホホホ」
「オホホホホホホ……」
 ……俺とオヤジは半眼で、図体ばかりデカいオバちゃ……もとい、ケルベロスを睨め付けた。
「なあ、マキ。ヤツらの他の目的っていうのはもしかして……」
「決まっている。井戸端会議だ」

NG9 ロマンチストなシャドウマスター
ソードレボリューション2 Mission3より

 ふと……俺は一冊の本に目を奪われた。
 その本には、題名が付けられていなかった。おそらくは手記であると思われる。
 裏返してみる。そこにはこの手記の筆者であると思われる者の名前が認めてあった。
 その名を口に出して読み上げる。
「ジュオウ……」
 初めて聞く名じゃないな。そう、この名を聞いたのは、確かあの事件の時……
「フィズ?」
 俺の台詞が途切れた事を怪訝に思ったのだろう。ミレアが呼びかけてくる。俺は何も答えずに手記を繰った。
 一ページ目の内容を黙読する。
『おお、ルミちゃん。どうして汝はルミちゃんなのか。
 飲み屋でそなたを見初めた日から、儂の視線はそなたに釘付け。ああ、愛しのルミちゃんよ。我が愛の言葉を、この手記にて認めよう。
 我が名は呪翁。永遠なる愛を育みし者なり』
『……恥ずっ!』
 居たたまれぬ気持ちになった俺達は、黙って手記を燃やす事にした。
 ルミちゃんとやらにフラれても元気だせよ、爺さん。

NG10 大いなる聞き間違い
ソードレボリューション Mission2より

「おい、道化」
「それは、おいらの事でしゅか?」
「ああ。
 あんたの名前を聞かせてくれないか」
 少し興味があった。通り名でない、ヤツの本名について。
「名前でしゅか?おいらの?
 ……シギでしゅよ」
「詩吟……!」
 それ、知ってるぜ。漢詩に節を付けて読むという、変わった曲の事だよな。
 まさか、青紫の本名が詩吟であるとは知らなかった。それでも、手がかりに違いなかった。青紫のピエロに一歩近づくための。
 戦闘の基本は相手を知る事から始まる。敵が詩吟ならば、俺もまた詩吟口調で喋ってみる事にするか。
 俺は大声を張り上げた。
「覚え〜といて〜やるぜ〜、詩吟ぃ〜ん〜」
「……いきなり何言ってるんでしゅか?あんたは。
 もしかして……サイコでしゅか?」
 ……張りつめていた空気の流れが、一気に変わった瞬間だった。

NG11 他に言い残す事ないのかよ?
ソードレボリューション2 Mission3より

「ゥ……」
 微かな呻き声が俺の耳に飛び込んできた。発しているのは、異形の姿となった友!
「ジョーナンド!」
 俺は、ジョーナンドの下へと駆け寄った。
「分かるか、ジョーナンド!
 俺はここにいる!ここにいるぞ!」
「ラ……イア……ス……」
 息も絶え絶えになりながら……ジョーナンドは必死に俺の事を呼んでいた。
「ライ……アス。
 カエ……セ、ラ……イ……アス……」
「……何の事だ?」
 ……ジョーナンドの意図がさっぱり分からない。俺は思わず訊き返した。
「カ……エセェ……ライ……ア……ス……
 マエ……ニ、カ……シタ……ヒャ……クレア、ヲ……カエセェ……」
「……ジョーナンド」
「ヒャクレ……ア……
 オレ、ノ……カ……ネ……ヒャ……ク……レ……ア……」
 そう言い残すと、ジョーナンドはその口を閉ざした。
「………………」
 何とも気まずい沈黙がその場を支配する。
「物欲だと?そのような物など要らぬわ!雑兵如きに欲なぞあってたまるものか!
 しかも、たかが百レアでうじうじ言いおって!」
 やり場のないジュオウの怒りは、頂点に達していた。

NG12 今夜のメニューは唐揚げに決定
ソードレボリューション2 Mission1より

「貴様の始末はこやつらに任せるとしよう」
 まさかっ!
 杖で地面を軽く小突く爺さん。それを合図にしたかのごとく……俺達の周囲に幾つもの気配が生まれた。
「これは……っ!」
 突如眼前に現れたそれを見て、ミレアが心底驚愕した様子で呻く。
「魔物、か」
 俺はさして驚きもしなかった。あるいは慣れてしまったのかも知れない。いや、あんまり慣れたくないけど。
 それは明らかに異形の生命体だった。不自然に発達した前足……いや、もはや腕と呼んだ方がいいか……を備えた、二足歩行を行う事の出来るワニとでも言うべきか。
 そいつが全部で……一三体もいやがる。
「名はリザードマン。新時代の尖兵となる者共だ。素手とは言え、戦闘力は人間の比にならぬぞ。
 さて、こやつらを倒せるか?フィズ・ライアスよ」
「やはり、一連の猟奇事件は……」
「左様。儂が指示を出し、こやつらに実行させたまでの事。
 このリザードマン共を倒せなければ、次の被害者は貴様という事になる。世に未練があるならば、存分に闘えぃ!」
 爺さんが飛ばした一喝を合図に、一三体のリザードマンが一斉に襲いかかってくる。
 ……ラッキー!
 俺は嬉々として叫んだ。
「喜べ、ミレア!今晩のおかずはワニだぞ!」
「やった〜!一匹残らず倒して、家に持って帰ろうね!」
 歓声を上げるミレア。
 焦燥に駆られた様子で、爺さんがらしくもない突っ込みを入れた。
「儂の傑作を食うのかよ!」

NG13 とっても紛らわしいんです
ソードレボリューション Mission3より

『ここ数日で……調合しておいた薬よ。ちょっとした実験だって……先生にも手伝ってもらったの。
 絶対に役に立つわ。持っていって』
 試験場に入る際、ミレアから渡された小瓶。
 死の間際に立つような事になれば、その時に瓶を割れ。俺はあいつからそう聞かされていた。
 そう、使うべきは今なんだ。
「オヤジ。マキを連れて、退がっててくれ」
「おう」
 素直にオヤジは従ってくれた。マキに肩を貸して、俺とシギから距離を置いた。
 ……よし。
「正真正銘の馬鹿でしゅねえ。自殺でもしてた方がマシだったんじゃないでしゅか?」
「最初の方はその通りかも知れないな。だが、後のセリフはいだだけないね」
「生意気でしゅよ。そんな瓶……こうしてくれるでしゅ」
 魔の刃と化したシギの杖から、暗黒弾が放たれた。
 すかさず、俺は瓶から手を離す。
 狙い違わず、瓶は弾の直撃を受けて粉々になった。
 元より瓶は壊すつもりだったんだ。問題はない。
「無駄な抵抗はやめろでしゅ。大人しくするがいい……」
 偉そうに並べ立てらられていたシギの口上も、途中で途切れる事となる。どうやら、ヤツも気付いたようだ。自身の壊した瓶の中から、黄色い霧みたいな物が溢れ出している事実に。
 霧は俺の尻の辺りから、発生しているtらしかった。
『臭っ!』
 すかさず鼻を押さえるシギとオヤジとマキ。
「いや大丈夫、臭くないから!つ〜か、これ屁じゃないから!」

NG14 今回は言い逃れ出来ません
ソードレボリューション2 Mission2より

 俺とヘルゼーラにマスター、そして名前も知らない二人の教師。マスタールームに顔を合わせた面々は以上の五人である。
「さて、と」
 俺はキッと二人の教師に睨みを利かせる。
「聞かせてもらおうか。どうしてこの俺が問題児扱いされなければいけないのか、その理由をな」
 言うまでもない事だが、俺は探偵だ。探偵のお仕事は依頼や案件を解決する事であって問題行動を起こす事ではない。
 第一折檻部屋に放り込まれていた俺が、あれ以上騒ぎを起こして一体何の得になるって言うんだよ。
「……何をぬかすか、フィズ・ライアス」
 諫めの言葉を投げかけてくるのは教師の一人。確か、ジェック・トバという名前だったか。
 トバはビッと俺を指差し、自信満々にこう告げた。
「貴様は基本が分かっとらん。教師に対して敬語を使うのは常識であろうが。
 我々に対して偉そうにタメ口を叩いている事自体がすでに問題行動なのだよ!」
「……しまったああぁぁっ!」
 頭を抱えて絶叫する俺。
 トバの言い分を一通り聞き終え、マスターはゆっくりと首を縦に動かした。
「監禁……それもやむを得まいか。この状況ではな」
 監禁。その言葉は、俺の肩にずしりと重くのし掛かったのだった。

NG15 ストーカーも犯罪です
ソードレボリューション Mission1より

「《身を癒す水の滴》。便利な魔法が使えるんだな。全く羨ましいね」
「え?」
 訝しがるパグラム。
「色々と言い当ててやろうか。
 あんたの属性は水。あんたの連れについては、確証は持てないけど火と考えるのが妥当かな。でも、魔法はあまり得意じゃなさそうだ。多分、剣に頼るタイプだな。
 ざっと推測すれば、こんなとこかな。訂正があれば指摘してくれ」
「……パーフェクトよ。洞察もなかなか鋭いのね」
「そいつはどうも」
 探偵と名乗る者の端くれなら、このくらい出来て当然なんだがな。
「根拠を聞かせてくれる?」
 俺は首を縦に振った。
「根拠も何も……知ってて当然さ。
 だって俺、一年くらい前からずっとあんたの事見てたんだから」
 ……その後、俺は問答無用でパグラムに頭の形が変わる程にどつき倒されたのだった。

NG16 最高のパートナー
ソードレボリューション Mission2より

「時代は変わった。最早儂の障壁となろう者はこの世に存在しない。
 儂はかつて成し得なかった目論みを実現させる事が出来る。この儂の力を以て、強者が弱者を踏みにじり続ける、争いの絶えぬ世界を創るのだ。
 この世界に、儂は再び大いなる災いを呼び起こす!」
 カッと目を見開き、ジュオウは声を張り上げた。凄まじいまでの気迫がビンビン伝わってくる。流石はマスターの兄弟……〈魔を超えし者〉と自ら名乗ろうとするのも伊達じゃあない。
 だがそれでも……俺達は退くわけにはいかない!
「再び大戦を起こそうってわけかよ。ふざけんな!」
「ふざけてなどおらぬ。儂は以前とは比較にならぬ程の力を手に入れた。魔法の使えぬ今の兄者と〈槍を尊ぶ者〉の二人には、最早どうする事も出来ぬわ。
 加えて今の儂には、パートナーもおる。今この世界に生きる者の中で最も優れた秘書であろう、この女がな」
 傍らに佇む一人の女に視線を向けるジュオウ。ヤツは、かつて俺の秘書を名乗っていた女である。
エリ「え〜!エリってそんなに優秀なの〜?
 わ〜!凄いでしょ凄いでしょ!エリの事、見直した?ご主人様〜?」
フィズ「……とっとと漫画版ソドレボの世界に帰れ!」


フィズ「どうだい?全一六個のNG集、楽しんでくれたかな?
 『なんちゃってソードレボリューション』は、もうちょっとだけ続くんだ。また、この先も楽しんでくれよな。
 また、次のMissionで会おうぜ!」
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