作品名:小さくても大きな命
作者:風下
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和希君がとぼとぼ帰っていくのを唯ちゃんは窓から見ていた。
なんで、あんなことをしたんだろう?
今まで、あんなことをしたことがあっただろうか?

いや無かった。

少なくとも、私が知っている和希君は
そんなこと、しなかった。

そんなにも変わってしまったの?
唯ちゃんは、悩む。考える。
そして、和希君がいなくなった後の庭に行った。
何も変わっていないと分っていても。

もぎ取られたミニトマトは、もうそこにはない。
でも、1つだけ変わったものがあった。
今、分ったこと。
今、解ったこと。

―――違うんだ。変わっていくものなんて、無いと思ってた。
でも、
生きている限り、この世界が生き残っている限り、
変わっていくのが“必然”ということもあるんだ。
和希君は、変わった。
だから私も、変わった。

生まれてくる感情。
他人にぶつけたくなる思い。
全部受け止めてくれた、この大切なミニトマト。
それらは皆、感謝すべき

必然。

そう思ったとき。

青い空の下で、

青い風が吹いた。
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