作品名:Three Stars and the Earth〜他星への進出〜 中巻
作者:キラ
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15話 光と雪

あらすじ…
フェリスターの戦いから約10ヶ月後、鳥人王国、鳥人王国中心塔の会議ノ畳にエーレと言うコーヒー好きな男が現れた。
彼はサフィアに今、人生最高に輝ける時期である事を教え、その時期の運命をサフィアに聞かせ、去って行った。
そのすぐ後、ディマクラ・スターからはるばる遣って来たステアリン・グリセリルら4人はサフィアをその星へと招く。
そしてお供としてソフィヤ、ロッジャー、シャスナ、ネオン、数・禰絆(ス・ナイハン)も一緒に行く事となる。
この話はそれから3日後の事である。

T

――宇宙は広い

なぜならサフィア達はこんなに速度が速い宇宙船に乗っているのに目的地にはまだまだと言う距離なのだ。
この宇宙船は最高秒速なんと20万q。補足として光は秒速30万qで地球7周半。
この定義で計算すると1秒間でちょうど地球1周するには秒速4万qと言う速度が必要となる。
と言う事でこの宇宙船は地球を1秒間に5周もできるのだ。スゲェ〜…。
サフィア達は今この宇宙船の中央にある大広間にいる。
「それにしても…この船、凄いじゃんねぇ〜」
ロッジャーが呟いた。
「ロッジャー、それで17回目よ」
記憶力の良いソフィヤが突っ込む。
「だって…この風景を見るじゃん!ほぼ前後上下左右360°ガラス張りじゃんか!」
「確かに…こんな宇宙船オレも初めて見た」
サフィアもこの船に感心を示した。
「この船、最新型なのですよ」
ステアリンが言った。
彼女曰くこの船、秒速20万qで進める事の他、これは全自動運転可能で先端にレーザー砲、翼は4本あり、まるで英文字‘]’の様に張り付いている。
その翼1本1本の先端にミサイル発射口があり、機体前方には最先端であるレーザー…しかも威力がある砲身長500pである。(Drハカセの零座式鉄砲第一号は15p。長ければ長いほど威力が高く、エネルギーを消耗する)
この宇宙船の名を、](クロス)・スペースファイターと言い、宇宙戦闘機の中でもトップクラスの戦闘機だ。
ただ、唯一の欠点はあまりにも速度が速いため、着地するための滑走路がいつも以上に大きくないといけない事だ。
地球の滑走路は短いためにこの宇宙船は宇宙で待機し、この中に内蔵してある脱出ポットで着陸したのだ。
「それにしても…退屈だぁ」
スーがあくびをした。
「あと2日の我慢です」
ステアリンが無表情で言った。
「まだそんなにあるんかいな!」
ネオンがうんざりした。
もうSPEの6人は話す事さえ無くなっていた。
「…ん?何だぁ?これ」
スーが指を指した所には明らかに怪しいスイッチが設置されていた。
「押してみよ…どうせ大した事なさそうだなぁ」
「ま…待って下さい!それは…それは!!!」
ステアリンが止めようとした。が、もう遅かった。スーの指がこのスイッチに触れた瞬間、フッと明かりが消えた。
次の一瞬、前方に稲妻のような閃光が走り、轟音と言うか奇怪な耳をつんざく音が聞こえた。
なんと、あの怪しいスイッチは非常用レーザー発射装置で押すと前方にある巨大レーザー砲からレーザーが発射されるのだ。きっとこの大広間にいる人が先に敵機を見つけた時に押すのだろう。
そしてスーはこのスイッチ1つで前方数万qに浮いていた小惑星を煙にしてしまったのだ。
「な…何て事をしてくれたんでしょう。このまま行けば燃料が半分くらいで到着する予定でしたのに…これでは到着する前に墜落してしまいます」
彼女が怒るのも無理は無いだろう。
「しょうがありませんね。とりあえずライトスターに連絡をとってこの宇宙船ごと着陸しましょう」
「ラ…ラララライトスタァ?あ、あの!?」
ソフィヤが目を丸くして言った。
「ライトスターがどうしたん?ソフィヤはん。有名で発達している星なのは知ってるで。そんでもって…雪と太陽の星と言うのもな」
「そりゃ知ってるわよ。でも…ほら、あの人の故郷じゃない」
「あ、そういやそやな…テルル・アナンはんの母星や!」
「そして何よりライトスターと言えば…」
スーが自慢そうに間を開けた。
「SPLがあってそこのスターランス中隊はどこのS☆Pなんかより有名だなぁ」
シーンとなった…。なぜかは作者も分からない。
S☆Pとは、SPEやSPLが所属している宇宙規模の警察の総称である。そしてその中心となるのが星丸々1個の面積を誇るSPSだ。
スターランス中隊とは他のS☆Pには無い階級でSPLのエリートを更に育成された中隊なのだ。未だ負け無しの実力である。
こんな事を話しているうちにステアリンが割り込んだ。
「ライトスターの許可がとれました。燃料補給にはかなりの時間が掛かります。その間この星の銀世界を散歩して見てはいかがでしょうか」
「オ!いいねぇ!シャスナちゃんとのデート…ムフフフ…」
ロッジャーがにやけをこらえきれず隅でニヤニヤしている。
「ロッジャ〜…何やってるのかなぁ〜」
シャスナがわざとらしく言った。
「ち…違うやい!」
みんな笑った。ロッジャーは顔が真っ赤になった。

U

数分後 ライトスター 宇宙大飛行場 滑走路
「ご到着いたしました。この星は大変寒いのでお気を付けて…。このスペースファイターは夜11時出発予定です」
「分かった。その時間に間にあえば良いんだな?」
サフィアが確認した。
「左様でございます。それでは良い時間をお過ごし下さい」

更に数分後…
「さ〜て、早速自由行動と行くじゃん!」
ロッジャーが歩きながら嬉しそうに言った。
言いながらシャスナの袖を掴んでいる。なんと言う…。
「待った!まだこの星が安全かどうか分からない」
「サ…サフィア!オイラ達、子供じゃないじゃんよ。…シャスナちゃんは別だけど」
ロッジャーがスタートダッシュの構えをしている。もちろんシャスナの袖を掴みながら…。
「そりゃそうだけどお前さ、自由行動になった瞬間何するのか大体分かるんだよ。最終的に迷子になる事は確かだな」
「うぐ…でもさ、ここはアナの母星じゃん。迷子になっても周りが親切にしてくれるはずじゃん」
「それ、偏見って言うんだぞ…。」
「ウギャフゥゥゥ!!!」
ロッジャーがもし石だった粉々に砕けているだろう。
「で…でもさ、もし偏見じゃなかったらどうじゃん?例えばこの路地にたわむっている不良とかさ…不、不良!?」
何気なくロッジャーは右を向いたらいた。以下にもワルそうなリーゼントをした不良が3人この駅裏の路地にいたのだ。やれやれ、どこの星に行ってもワルは変わらないもんですね。
その時、スーが叫んだ。
「リンチだぁ!!!」
「シッ!静かに!」
ソフィヤが声を殺して言った。ただ、彼女は不良のいる所が遠いかまだ誰が何をやっているのか分からないらしい。
スーは山育ちなので目が良いのかも知れない。
「不良3人が女の子をリンチしてるだ」
スーはそのまま不良たち目掛けて走って行った。あの、数・禰絆が。
「…オイオイ、どうなるか知らないぞ」
サフィアがため息を付いた。
そう言えば、みんな軍人なの忘れてるけど…そこは気にしない気にしない。

V

不良たちはスーの言う通り女の子とリンチしていた。
「よぅよぅよぅよぅよぅ!!!姉ちゃん、ぶつかってゴメンも無いのかよ!!!」
不良Aが言った。
「よぅが多すぎです。おやびん」
不良Bが言った。
「確か…ぶつかったのは俺達からじゃなかったっけ?」
不良Cが言った。その瞬間彼はAによってゴミバケツの方へ吹っ飛んだ。
「ス、スイマセン…誰か」
「助けを呼んだって無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!ここはビル裏だ。誰も気付きやしないぜ!!!」
Aが言った。
「無駄が多すぎです…おやびん」
Bが言った。(するとAは俺様のどこに無駄があるんだ!?と言われ、すくみ上がってしまった)
「おやびん、やっちゃえ!」
Cがゴミバケツに埋もれながら手足をバタつかして言った。
「よぉし…」とAは気合を入れて手をぱきぽき鳴らした。
「た…助けてェ〜〜!!!」
女の子が叫んだ。
親分らしき不良Aが殴りかかった瞬間、彼は誰かの気配を感じてその拳を止めた。
彼の背後に亡霊…のようなゆらっとしたスーの姿があった。
「のわぁァァァァ!!!ビ、ビックリした!」
Aが腰を抜かした。
「あのぅ…そこの方ァ…イジメは良くないと思うんだがなぁ…」
スーがわざとボソボソ言った。
「お、おおおオメェ、死にてぇのか!?死んでんならしょうがないが」
不良たちはやや動揺が隠しきれないようだ。
「おやびん、『お』が多――
「見た事ねぇ顔だ…オイ、オメエ、あいつは知り合いか?」
Aが女の子に言った。彼女は首をブンブン横に振った。(よほどスーが嫌いなのか?)
「じゃあとっとと失せろ!」
そう親分が言うと脇腹に手を忍ばしてそこから拳銃のようなレーザーガンを出した。他の不良もつられてガンを出した。
彼女はヒッと小さな悲鳴を発した。
「死にたく無かったら土下座して変えんな!」
「ちゃんと謝れや!」
「ごめんなさい、オラが悪かったと十回言うんだ!」
不良達がA・B・Cの順に言った。
「あのぅ…皆様方、決闘は…ダメですよなあ?」
スーがとぼけた口調で言った。
「…プ、プハハハハハハハハハハ!!!君君、ゴム鉄砲も無いのに決闘するん‘でちゅか’?」
不良たちが大爆笑した。
「はい、ゴム鉄砲なら‘護身用’で持ってますだ」
そう言ってスーは内ポケットからゴム鉄砲を出した。不良たちが大爆笑した。
「全く…君はそんなにゴム鉄砲が好きなんでちゅね。じゃあ…逝けェェい!」
不良3人のレーザーガンからレーザーが出た。
しかし…この3人(+1人)は知らない。スーが…銃の達人と言う事を。
スーはレーザーが放たれた瞬間、ゴム鉄砲を捨てながら何やら変てこな銃を出し…ながらその銃のあるスイッチを押した。
すると銃はピンと真っ直ぐになり、銃口からレーザー…ではなく、ビームソードが出てきた。
そのソードで3発のレーザーをキキキン…と打ち返した。打ち返したと言うか跳ね返した。
跳ね返ったレーザーは3人の不良の髪に当たった。そしてボッと燃え上がった。
実はこの銃、サーヴルガンと言い、接近戦専用銃なのだ。銃と言うより剣に近いが…。
とにかくスーはこれまたうちポケットから警察手帳(正式にはS☆P手帳)を出して言った。
「オラはオラはこう見えてもSPEなんだな。オメらを銃刀法違反及び暴力法で逮捕するだ!」
「嘘だ…嘘だぁアアア!!!」
不良たちが絶叫した。
「ロッジャー、こいつらをSPSに送るだ!」
スーがちょうどやってきたロッジャーに言った。
「あのさ」
「何だね?ロッジャー司令官」
なぜかスーはかっこよく言った。
「こんな罪で指令署に送ったら総務長に怒られるじゃん」
スーが砕けた。もし石だったらの話だが。
「せっかくかっこよかったのに…」
スーが不満を漏らした。

W

「お勤め、ご苦労である!」
SPL隊長のラック・コールが敬礼をしながら言った。
「いえいえ、ただの偶然ですから。そちらもがんばって下さい」
サフィアがロープでグルグル巻きになっている不良のロープを掴みながら言った。
「そうだ、そちらの汝、少し事情を話してもらおう」
ラックが鼻息をフンと出しながら言った。
「え、あの、私、何もやってません」
汝と言われた不良に絡まれていた女の子が言った。
「そりゃ我々も知っておる。なぜこんな事になったのか説明してくれれば宜しい。それとSPE諸君、諸君も一緒に来てくれたまえ」
「え、あの、何もやってません」
5人が一斉に言った。
「そりゃ我々も知っておる…。見た事を説明してくれれば宜しい…」
ラックが半分呆れて言った。

数時間後 SPL 取調べ終了
「ご苦労!ディマクラスターへの拳闘を祈る!」
ラックが敬礼をした。
「いや…戦う事は無いと思うけど…。でもありがとう。頑張るよ」
サフィアが言った。
「あの…」
女の子が言った。ついでに言いますと彼女の名前はフィー。田舎のタマゴテングタケ畑の農夫の子らしい。
シャグマアミガサタケとは、一種のキノコでフィーの住んでいる地域では日本のお茶のように飲んでいるらしい。
年齢は13歳。農中学校に通っているらしい。
「何だね?フィー君」
スーはまだかっこつけているらしい。
「助けてくださってありがとうございます」
フィーはお辞儀をして言った。
「なあもなあも、オラは当たり前の事をしただけだぁ」
スーの頬が少し赤くなっている。
「あの…御礼としてはなんですが私の家で採れたお茶でもどうです?あ、皆さんも御一緒にどうぞ」
「な、ロッジャー、集団行動してて良かっただろ?」
サフィアはロッジャーに言ったがそのロッジャーはと言うと…。
「やったァ!寒くて寒くて死にそうだったんだよ!おかまいなく行かせてもらいます!」
ロッジャー浮かれていた。
それを見たシャスナはとても無礼そうだと言う眼でロッジャーを睨んだ。
更にそれを見たロッジャーはかなり冷や汗が出てた様にサフィアには見えた。

X

フィーの家は電車で1時間、バスで30分の所にあった。雪と木々に覆われていてその根元には何本ものキノコがあった。
それはきっとタマゴテングタケだろうとサフィアは思った。
それから数10分歩いた所にフィーの家があった。とても大きな豪邸に見えた。雪に負けないくらい白い壁だ。
彼女らはその家に入った。サフィア達は西洋風のとても豪かなリビングに案内された。
「ちょっと待ってて下さい。今お茶入れますんで」
フィーは走ってリビングの奥にあるキッチンに行った。
「それにしても…凄い家だ。まるで骨董屋だ」
サフィアが呟いた。
「こう見るだけで弓矢、壷、タンス、シャンデリア…骸骨、鎌、水晶、紙切れ…なんか占い屋敷にも見えるな…占い…」
サフィアが息を詰まらせた。…運命師
「サフィア」
ソフィヤが小声で言った。
「占いと言っても何万種類もあるのよ。星座占い、水晶占い、西洋占い、東洋占い、あみだくじ…そんな中の1つなの」
「分かってるさ。もしかしたら…って思っちゃったんだよ」
「お待たせしました」
不意にフィーがやって来た。
「これがタマゴテングタケを煎じた飲み物『タマゴ茶』です。この地域の伝統的な飲み物です」
「…」
「……」
みんなこのお茶を凝視している。
「ど、どうしたんですか?飲んで下さいよ。せっかく注いだのに…」
「そ、そりゃそうやけど何か異様な臭いが…」
ネオンが言った。
「な〜んだ、臭いですか。大丈夫ですよ。このキノコは本当に独特の匂いがあるんです。それでも怪しいのなら、私が毒味しても良いですよ?」
フィーはみんなのシラタマ茶を少しずつ飲んだ。
「…ね、大丈夫ですよ。様は根気、勇気、アリ○ミンです!」(宣伝になりそうなんで‘ナ’を抜いております)
「ほう、じゃあ頂くで!いっただっきま――
――ガシャン
ネオンが口にしようとした時、その茶碗が割れ、タマゴ茶は四散した。みんな目を丸くして呆然としている。
「だ、だ、誰や!ワイのタマゴ茶とフィーはんの茶碗をぶっ壊したのは!!!」
ネオンが激怒した。無理も無い…。
「オ…オラだ」
スーが言った。右手には親指とほとんど同じ位の大きさのリトルガンをネオンの茶碗があった所を指している。銃口には煙が立ち上がっている。
「何でや…何で割ったんや!」
ネオンがスーの襟首を掴んだ。
「そりゃ…オメを守る為だ。このお茶には毒が混ざっているんだ。ってか、このお茶は‘毒そのもの’…そう、タマゴテングタケと言うキノコは毒なんだぁ!」
「ナ…ナンダッテェェェェ!!!」
サフィアとロッジャーは茶碗を落としてそれを割ってしまった。ソフィヤとシャスナは茶碗を持つ手がガクガク震えている。
「で、でもこのお茶はこの地方では誰でも飲むんですよ。それに栽培して他の地方や海外にも輸出していますよ?健康に良いとみんなに評判ですが…これでも毒なんですか?これは」
フィーが驚きながら言った。
「オラの推測では…このお茶はオメらライトスターの住民はこのキノコの毒に他する効力があるんじゃねえかと――
「信じられない…このキノコが毒だなんて…でも、何で気が付いたの?」
フィーがスーの推測談に割り込んで言った。
「このキノコの名前を聞いた時からだぁ。このキノコは地球にもある。だが、それが猛毒なんだァ」
「そうなんですか…でも、偶然同じ名前かも知れませんよ。宇宙は広い…広ければ広いほど同名の物はあるわよ」
「そうですか…もし偶然でもこのお茶に濃硫酸を1滴入れて淡紅紫色に変色したら、さすがに偶然とは行かないダベ」
スーの内ポケットから防熱カプセルに入った無色の硫酸を取り出した。
「どう言う意味ですか?」
フィーが訊いた。どうやら他の5人にも意味が解らない様だ。
「もし、このタマゴテングタケが地球の物と同じなら濃硫酸を1滴入れると淡紅紫色に変色する。この反応はこのキノコ特有なのでヨ−ロッパ帝國ではよく用いられてたんだな。詳しい事は自分で調べるんだな」
スーはカプセルから一滴、濃硫酸をたらした。色が一瞬にして淡紅紫色に染まった。
「どうだ?これで、このキノコは毒がある」
スーが勝ち誇ったように言った。
「私、し、知らなかったわ…でも、それで何があるの?私はあなた達に毒殺しようなんて考えても無いわ」
「言ったなぁ…ついに尻尾をつかんだぁ…フィーさん、オラは一言も毒殺なんて言ってないのになんでそんな事知ってたんだぁ?」
フィーはハッと黙りこくってしまった。
少し間が空いてからシャスナが言った。
「あの、フィーさん…もしかしてフィーさんはこれが毒だって知ってたんですか?」
「ええ…そうよ」
フィーの口調がかなりブラック・コーヒー…どんよりとなってしまった。
「じゃあなんで私達を殺そうとしたんですか?」
「そうやそうや!あ…スーはん、さっきはありがとな」
ネオンが微妙に謝った。
「あなた達はここで殺される運命――
シーはまたハッと口をふさいだ。ロッジャーの思う所どこもおかしな所がなさそうだが…。
しかし、ソフィヤとサフィアはガバッとその言葉を聞き逃さなかった。彼らの顔は恐怖で真っ青になっている。
「サ…サフィアはん?そ…ソフィヤはん?…どうしたんや?」
ネオンが心配そうに言った。
ソフィヤはネオンではなくロッジャーに向かって叫んだ。
「ロッジャー!大至急でSPLとSPSに連絡を入れて!緊急よ!」
サフィアはネオンとスーに向かって言った。
「スー、ネオン、あいつを捕らえろ!大 至 急 だ !!!」
2人の口調はかなり恐怖口調だ。
シャスナはネオンの代わりに尋ねた。
「2人とも…さっきはどうしたんです?」
「ああ…シャスナは知らなかったか、あいつ…やっぱり占い師なんだ。しかも普通の占い師じゃない、運命師…ディストニアーと云う人だけが使える占い他人の運命を知り、やろうと思えばその運命をも変えてしまう占い師なんだ。アイツは」
サフィアが言った。
「あの人が言ってたでしょ?『あなた達はここで殺される運命』だって。そんな事知ってるのは運命師だけよ」
ソフィヤが言った。
「へ〜…でもさ、それっておかしくない?」
そして、シャスナが首を傾げた。
「え?何が?」
ソフィヤが尋ねた。
「だって…その運命だと私達は‘ここ’で死んじゃうんでしょ?なのに何で死ななかったのかな?」
「た…確かに!!!(コイツ…やはり幼いくせにひらめき度はあるな)でも…運命変えられないから違う所で修正されるんじゃないのか?」
サフィアが言った。
その時、シャスナは泣き出した。
「死んじゃうの…私達、死んじゃうの?私、まだ死にたくない!!!」
そしてソフィヤの手がサフィアの頬にパチンと言う音を立てて直撃した。
「サフィアのバカ!そんな…無感情に言わないでよ!私だって…私だって…泣きたくなっちゃうでしょ!」
そして、ソフィヤも泣き出してしまった。もうサフィアは何をして良いのか分からなくなっていた。
もう大混乱だ。
その時、助けが来た…助けと言うか報告と言うか…だが。
「報告し終わったじゃん!って……サフィア、オイラの…オイラのシャスナちゃんに何をしたーー!!!」
報告と言うか…もう一人ややこしい奴が来てしまったと言った方が正しいのかも知れない。
その後、今度こそ助けが来た。
「大変や!フィーはんが弓と矢を持って裏口から外へ出てしもうたんや!」
「しかもそれで魔方陣を作ってんだぁ!!!」
助けと言うか…もう何だか分からん!!!
サフィア達は外に出た。空には真っ黒な雲がたちこめ、フィーが木と木の間で何かを放っている。
何かとは…そう、弓から放たれた弓だ。
弓は宙で止まり、正六角形の頂点を作っていた。その頂点から電流が流れ、正六角形の辺を作った。
更にこの正六角形の中に魔方陣ができる様に正三角形が重なるように弓から電流が流れた。
「こ…こんな事が…ありえない」
ロッジャーがつぶやいた。
まだフィーのミラクルが終わった訳ではない。
「さあ…キサマらを殺すのが私の役目だ…どんな事をしてでもッ!…キサマらを消して見せる!いでよ!ドロイド!!!」
魔方陣の中からどう言う原理なのか知らないがフェリスターの戦いで見たあの2体のドロイドの他、馬と龍が合体した様なドロイドとタコとクモが合体した様なドロイドが出てきた。
それに数も多い。ざっと数千はいる。
その時、やっとこの6人はわかった。この女は…運命師でありそしてDDDのスパイである事も…。

――今、ライトスターが戦場になろうとしている。
―――そして、あの男が動き出した。


アトガキ
ドも、チャイナです。
いやー…ライトスター、光と雪の星、ライトスターですよ!
ついでにこの星、地球よりも科学が発達していると言う設定ですのでよろしくお願いします。
ただし、レーザー技術は低いようですね。

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