作品名:小さくても大きな命
作者:風下
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唯ちゃんは、凍りついた。
和希君がした、“ある行動”のために。
そして激怒し、傷ついた。



…和希君がした“ある行動”とは何だったのか?



――和希君が、唯ちゃんのミニトマトに気がついたとき。――
和希君は、ミニトマトに近づいた。
赤く鮮やかに、太陽の光に照らされて輝く一粒。
丸くて丸くて、可愛らしい。
そんな赤く色づいた唯ちゃんのミニトマトを、
唯ちゃんが止めに入る隙がないほど一瞬の間に



……果実をもぎ取ってしまったのだった……



唯ちゃんは、一瞬凍りついた。
その後、ふつふつと胸の奥から熱い感情が込み上げてくる。
そして、怒鳴って和希君を叩こうとした。
でも、叩こうとする前に出てきた気持ちに抑えられた。
それは、
目から溢れ出す涙の中にある“悔しさ”という気持ちだった。


いきなり泣き出した唯ちゃんを見て、和希君は驚いた。
それが、自分のせいだとも知らずに。


そして唯ちゃんは、その場に居たくなくなって、
家の中へ入ってしまった。


残された和希君は、訳も分らず立っていた。
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