作品名:三国仮想史〜董昭伝〜
作者:明哀
← 前の回  次の回 → ■ 目次
191年5月、董昭はついに寿春に出兵した。劉焉は南陽へ、馬騰は宛城へ。
だが、袁術軍も董卓の次に強いと言われた勢力である。
馬騰は袁術に撃退され劉焉は袁胤に斬られた。後を継いだ劉璋は凡愚だったため、
橋随という識者に苦戦し敗走した。
董昭「これが袁術の力か。さすがに強い。南陽を取られたのも当たり前・・・か。」
董昭「私は姉上の仇を討てるのであろうか。わたしのような凡人に・・・。
   討てそうにない。だが討たないといけない。どうやったら討てるんだ。」
袁術の実力を目の当たりにして、董昭は塞ぎ込んでしまった。
陳宮「董昭殿、なにを迷っておられるのです。」
董昭「おう、陳宮。」
陳宮「殿がそれほど臆病な方とは知りませんでした。」
董昭「黙れ陳宮、お前は形勢を見て言ってるのか。」
陳宮「大丈夫です。袁術など恐るるに及びません。一人の将を除いては。」
董昭「ん、その一人の将とは?」
陳宮「紀霊という将軍です。30キロの矛を自由に動かし、
   当たる敵を幸いと斬って行く武将です。」
董昭「なるほど。紀霊か。うむ。陳宮、すまなかった。
   そう言われてみると袁術の将といえば紀霊しか思い浮かばない。
   明日攻撃をかけてみよう。」
陳宮「はい、それが正しいでしょう。」
翌日董昭は、攻撃を仕掛けた。が、紀霊は董昭軍10万のうちの2万人余を、
一人で斬り殺していった。黄巾賊だった阿会獄も向かっていったが
一刀で斬られた。
董昭「凄い。凄すぎる。ひ、退けーーぇい。」
初戦は紀霊軍の圧勝に終わった。董昭は策を講じねば勝てぬと思った。
← 前の回  次の回 → ■ 目次
Novel Collectionsトップページ