作品名:小さくても大きな命
作者:風下
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唯ちゃんの家に、和希君は現れた。
なんの前触れもなく、
家の角からひょっこりと。
なぜ来たのか。
それは唯ちゃんがわかるわけがない、
和希君だけの秘密。
和希君は、歩み寄る。
唯ちゃんの前まで、そっと歩み寄る。
そして、少しの間をあけて、満面の笑みで言った。
「久しぶり」
唯ちゃんは、びっくりした。
あまりにも懐かしいので、泣きそうになった。
でも、目をちょっとだけ潤めるだけにした。
そして、最上の笑顔で返事を返す。
「うん。本当に久しぶり」
二人は、話をした。
…立ったままで。
友達のこと、給食のこと、
嫌いな先生のこと、好きな授業のこと、
テストのこと、成績表のこと…
…とにかく、
二人があっていなかった分を埋め合わせるかのように。
――まだ元気よく照りつける太陽が頭上にはあった――
「今日暑いねー。
家の中入ろうか!
ちょっと待っててね〜、ジュース用意してくる〜♪」
そう言って、駆け足で家の中へ入っていく唯ちゃん。
ふと、和希君は気がつく。
唯ちゃんの影にあった、ミニトマトに。
そしてこの後、唯ちゃんがあ思いもしない行動を、
和希君は、やってのけたのだった。
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