作品名:黒い瞳の天使
作者:りみ
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次の日の放課後。
連と緑は、商店街――“ひまわり通り”を歩いて帰っていた。
「おや、連ちゃん、緑ちゃん。お帰り」
「ただいま」
「ただいまです・・・・」
「あら、連ちゃんに緑ちゃんじゃない。久しぶりねぇ」
「ども」
「お久しぶりです・・・」
人情味あふれる商店街を歩いて家へむかっていると。
「あら、連ちゃん」
「あ、八百屋のおばちゃん」
「あのさ、連ちゃん?あの赤ちゃん、誰の子?」
「「え?」」
「フッフッフ・・・・ひょっとして、お父さんの隠し子かしら?フッフフフ・・・・・」
「か、か、隠し子!?えぇっ、連ちゃん!?」
「・・・・・・・・・違うし」
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時野探偵事務所(兼家)前で。
「そうなんですか・・・両親が意識不明で・・・。藍ちゃん可哀そうですね」
「まぁね・・・。・・・藍ちゃん見る?」
「えっ!良いんですか?」
「別に大丈夫っしょ。藍ちゃん全然人見知りしないし」
そして事務所内へ。
「ダー?ア、ア、アー♪」
「わぁっ!かわいいですっ!!!」
「キャキャキャー♪」
「藍ちゃん、“みどり”だよ。緑」
「キャー?」
「まだ言葉喋れないんですね」
「うん。だから初めての言葉とかお父さんムチャクチャ気にしてる」
「アー?」
その後。
時計が午後4時を示した所で。
【ガチャッ・・・・】
「ふへー・・・・・」
「お帰り」
「キャッ、キャッ」
「なー、連。今から病院行くか?」
「?なんで?」
「“気になること”があってな。昨日から調べてたんだ」
「フーン・・・一人で行けばいいじゃん」
「まぁ、そういわず!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・ったく・・・・・・・・・・・」
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総合大病院で。
『集中治療室第一号室』『集中治療室第二号室』と書かれた所を共に見た。
第一号室には吉夜、第二号室には麻紀が、それぞれ意識不明の状態で治療を受けていた。
(ふーん。藍ちゃんの両親か。・・・・・あれ?コレって・・・・)
そのとき、甘えん坊な藍ちゃんは、親に会いたくて泣き出しそうになっていた。
「・・・・藍ちゃん、会いたいの?」
「ダッ、アッ・・・」
「・・・・・・ふーん・・・・・・」
「・・・・・・あの?」
そこには、若い感じの医者が現れた。
「・・・・・・・・もしかして、『時野探偵事務所』の方ですか?」
「!?・・・なぜそれを?」
「では時野庄治様ですね。・・・・某警察署から連絡が来ています。『頼りない感じの、見ただけでは探偵だなんて絶対わからない男と、小生意気でボーっとしている少女が絶対来るはずだ』と・・・・・・・」
「・・・・・あのおっさんか・・・・・・・・・」
「剣淵警視総監・・・・・・」
「・・・私、この病院の院長を務めさせていただきます、大岩(おおいわ)ともうします。・・・・・・あの、私でよければお役に立てないでしょうか?」
「というと?」
「日延吉夜は・・・・・ここの病院の外科医なんです」
「!?」
(フーン・・・・だからか。“アレ”は・・・)
「人望も厚くて、どんな事にも一生懸命で・・・だからこそ、なぜ日延君がこんな目に合わされたかわからないのです」
「なるほど・・・・・・・・・・・・・・・・・・。では、わかってることをお聞かせ願えますか?」
「ハイ、わかりました」
そして、病院捜査が始まった―――。
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