作品名:RED EYES ACADEMYT
作者:炎空&銀月火
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そろそろ15分だな…。
時計を見ていた審判がちらりとブルータスの方を横目で見る。
「じゃあ、行ってくるよ」
審判にそう言うと、彼は建物に入った。

コツコツと異様に足音が響く。だがブルータスはその足音を消そうともしなかった。
(彼女のことだ、おそらく足音を消そうとしても無駄だろう)
ならばいっそこちらの居場所を掴ませて反応を見ようというのだ。
(さあ、ゲームは始まったぞ。そちらの第一手はどう来る?)
彼の口から笑みが漏れる。彼は嬉しかった。今までたくさんの相手とこのようなゲームをしてきたが、ここまで期待した相手は居なかった。期待と興奮を体中にみなぎらせて、なおかつ慎重に身構えて彼は進む。今までなかった程の激しいゲームへ向けて。
「ダーン!」
不意に大きな爆発音が頭の上で鳴り響いた。
「・・・!」
即座に音の元を探る。どうやらそんなに近くはないようだ。
(三階だな。それにかなりここから離れた場所だ)
隠れる人間がわざわざこんな大きな音を出すとは思えない。それに、オリジナルのすることだ、銃器類の暴発と言うことはまずないだろう。と言うことは。
「トラップか・・・。面白くなってきたな」
すぐに音の元へ向かおうとするが、思いとどまる。爆発が起きると、どうしてもそちらに気を取られる。そして恐らく爆発現場へ調べに行こうとするだろう。そして、現場を調べている時に不意をついて攻撃。それが普通だ。しかし、ブルータスもレッドアイ。そのくらいは考えつく。そして意識を研ぎ澄ました彼に、奇襲をかけるのは不可能。
(見くびられたかな、僕も・・・)
ならば、勝負だ。彼は階上へと歩を進めた。

「ここだ・・・」
部屋の前で一旦停止し、自分の考えにおかしな点がないか、考え、同時に武器をチェック。全てぬかりないことを確認すると、ブルータスは息を吸って部屋へ突入した。
(これだけで終わりかな?)
内心がっかりしながら、後ろへ注意を向ける。
ガチャリ。
瓦礫を踏みしだく音が響いた。
「そこ!」
反射的に銃を向け、発砲。しかしそれは途中で消滅した。
「え・・・?」
「確かに、銃の威力は恐ろしい。でも…」
 声と共に、彼女が近寄ってくる。
「銃弾は、当たらなければ意味がない」
 そして彼の前に手を差し出す。彼女の右手に握られていた物は、さっきブルータスの放った銃弾だった。
「・・・・・・」
 ブルータスは、声を出すことすら出来なかった。
(彼女が近づいてくる時、何故攻撃しなかった…?)
 ―攻撃しなかったのではない。動けなかったのだ。彼女の放つ、圧倒的な威圧感に押されて。
「負けを認めますか?」
 ―これが、本物の力か。
 オーラが、重力となってのしかかる。
 彼は笑って両手を上げた。
「見事だね。潮沢凛。認めよう、僕の負けだ」
 ―完全に、負けだ…。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
後書き
えー、決めぜりふ登場です。分かりにくくてすんません。
「銃弾は、当たらなければ意味がない」が決めぜりふです。
銃弾つかめる主人公好きです!そういう人間離れした奴
好きです!さあ、いよいよ一番書きたかったところに突入!
なにせ、アクション書きたくて書いたこの作品!(ぁ
の割に、アクション下手です…。すんません。
 精進します…。
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