作品名:小さくても大きな命
作者:風下
← 前の回  次の回 → ■ 目次
《時間が流れるのは早い。
子どもたちの成長も速い。》

それでいて、
唯ちゃんのミニトマトの成長も速かった。

赤と緑の植物。
唯ちゃんが育てた、初めての植物。
ながーいながーい時間をかけて。
今、目の前にある、小さな赤い実。
やっと育った、赤くて、熟していて、可愛らしいミニトマト。
そして今日は、待ちに待った収穫の日。
唯ちゃんは、嬉しかった。
そして、思う。
…今、手に触れている赤い実は、いったいどんな味がするのだろう?

それは、幸せの味?

それは、悲しい味?

それは、甘い味?

それは、酸っぱい味?

とにかく、採って食べてみよう。
そうすれば、わかるんだ。
いろんな想いの詰まった、このミニトマト。
いろんな想いを込めたミニトマト。
なんだか、普通のミニトマトより凄い味がしそうだな。

そう考える唯ちゃんの顔はほころんでいた。

唯ちゃんが考え事をしてるとき、家のチャイムが鳴った。
ピンポーン、ピンポーン…

…誰かな?
お母さんのお友達かな?
んー
でも、お向かいのおばさんだといいな〜
おばさんいつも、美味しいお菓子くれるんだよな〜
なんて唯ちゃんは考えていた。

しかし、思いもしない人が
唯ちゃんの家の角から、現れたのだった。

その人物は…

1ヶ月以上、言葉を交わしていない、
和希君だった。
← 前の回  次の回 → ■ 目次
Novel Collectionsトップページ