作品名:幸運少女☆笹原麻耶〜初詣〜
作者:リョーランド
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全く、なんと言えばよいのやら……
結局あの後常盤第一神社に何時もどおり行ったらいきなり末吉引いてしまうわ、第二神社で派手にカメラ小僧にトラウマ見せたから今度は警察の人が「脅迫罪」とか行って私の所まで来たわ、あのカメラ小僧のやった事を細かく教えて逆に奴らを逮捕させるのにどれだけ私の口を疲れさせたか……
あ〜〜〜も〜〜〜、全くもって腹が立つ!!!
新年早々からこれじゃ、やってられないわよ!!!!!!
「泉ちゃん、だいじょび?」
大丈夫じゃない!ってか、あんたカメラ小僧に勝手に写真撮られてよく平気でいられるわよね。私だったら絶対嫌!身の毛がよだつ!!!
「うわぁ、泉ちゃんがハイテンションだよぉ」
えぇそうよ。すっごくハイテンションなのさ!!なんてったってあのカメラ小僧のおかげで新年が台無しだからね!!
何か、アイス食べないと暴れそう。
「うわぁ、怖いよぉ……けど私もアイス食べたいよぉ」
まぁ正月にアイス売ってる所なんてあましないとは思うけど。
そう思って横を見た私は愕然とした。
「あら麻耶ちゃんと泉ちゃん?あけましておめでとう」
「あぁ、アイス屋のお姉さん。おめでとうだよぉ」
うわぁ、麻耶の幸運って相変わらず神がかりね。
まさかいつも通ってるアイス屋が偶然通りかかったわ、そのアイス屋のお姉さんが偶然私達の知り合いだったわ、しかもそのお姉さんの振袖姿がまた眩しいのなんのって……
くそっ、負けた。思い切り負けた。
「アイス食べる?今日は特別に当たりクジ付きよ?」
しかも月に一度しかないと言われている当たりクジの日だとは……麻耶の幸運ぶりって新年になっても絶好調ね。
まぁその後麻耶とアイスを食べたんだが、私も麻耶も当たりがついてもう一個。
末吉にしては、見事な幸運だこと。
「よかったね、泉ちゃん」
あーあー、全部あんたのお陰よ。ありがとねぇ。
「これからもよろしくね」
そう言って可愛らしく言ってくれる私の友人。けどそうね。麻耶が私を元気付けてくれるのにこんな顔じゃ逆に心配されちゃうじゃない。
首を二回左右に振って冷静になると、振り返ってゆっくり笑う。
「おめでとう。これからもよろしくね」
そう言った私の顔は、残念ながら麻耶しか見ていないのだが、彼女の表情から察するに、とても良い笑顔をしていたのだろう。
今年一年、本当によろしくね。
幸運少女さん。
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