作品名:探求同盟 −未来編− 桐夜輝の日常
作者:光夜
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「ただいまー。あら、あなた、帰ってたの?」
「おじゃましまーす。あ、ご主人お久しぶりー」
主婦二人は玄関をくぐって無事に生還した。ハルは久しぶりの再会ということもあり夫婦の家にお邪魔しに来たのだった。そして、玄関には同じくちょうど家に戻ったばかりのこの家の主が立っていた。
「ん?なんだ、三上のところの。久しいな」
「相変わらず無愛想ねぇ。よくアッキーが愛想尽かさないわ」
「愛想尽かすなんて。だってとっても優しいんだから、それにテクニックだって―――――きゃっ」
と、のろける主婦一名。それにハルはため息を吐いて無言で玄関に上がった。
「はいはい、とりあえずお茶ちょうだいお茶。まったく、進展したとおもったら結婚も早くて、子供まで作って、あんたら本当よく判らないわ」
「心外だなー。古生代夫婦には負けるもの」
「古生代言うな」
楽しく会話をしながら三人で居間に行こうとする。と、玄関の外から声が聞こえてきた。
請負屋を僕にさせてる夫婦が、普通の人だと思う?
思わないが、万が一ってことは。
やっぱり、心配だよ・・・・
三種類の声が近づいてきてそして玄関前で止まる。扉が開かれると、夫婦は案の定といった顔で自分たちの息子の顔を確認した。そしてその後ろには見慣れない顔が二つ。
「ただいまー。って、どうしたのこんなところで」
「帰ったか」
着物姿の父親はそれだけ行って居間へ引っ込んだ。母親は笑顔で帰りを出迎えてくれそして―――――
「大きくなったわね輝君。覚えてる私?」
「ああ、三上のおばさん、久しぶりです。どうしたんで―――――いだだだだ!」
三上のおばさん、そう口にした瞬間ハルは輝の頭を掴んで力をこめた。
「これでもまだ若いんだけどな、わ・た・し!」
「あ、あわわわわわ・・・・」
その光景に見物する一臣と真。そう、輝が連れてきたのは当然この二人である。
「ご、ごめんさい気をつけますうううう!」
「よろしい。さて、お茶お茶〜」
と、笑顔になってハルも居間へ行ってしまった。
「もう、相変わらずワイルドなんだから。お友達?」
「いたたた・・・・。うん、戦国一臣さん、は知ってるよね。で、こっちが―――――」
「あ、えっと、砂野 真です。始めまして」
「あら、あなたが噂の真さん。始めまして、輝の母です」
二人でお辞儀して初めての挨拶。とりあえず、顔合わせは終了した。
「さて、お客さんが増えちゃったわね。とりあえず、みんなでお茶にしましょう」
そういって結局全員でお茶を飲むことになった。
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