作品名:人形達の叫び
作者:りみ
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学校から神社までは、まず校門を通って坂を上がっていけばある。
だが陸上部は“遠回り”をする。外側から大きく回ればマラソン並になるからだ。それを何往復もする――陸上部は毎日そんなに走っている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・なるほどね・・・・」


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駄菓子屋。
「時野〜、駄菓子屋があるぞ?」
「?行ってみる?」
「行って見ましょうっ!」
「・・・・つかっちゃんのおごりね。緑、行こう」
「えっ!!!???オレ!!??」

そして駄菓子屋へ入った。

そのとき。

【・・・・サッ!!・・・・・・ダッ!!】

「・・・・!」
連は、高田中学校の学生二人が万引きしたのを見た。
「・・・・・・・・・・!!!」


【ダッ!!!】


「エッ!?時野!?」
「連ちゃん??」


連は普段はマイペースなためわからないが、元々足が速いため、中学生にすぐに追いついた。
「・・・・・!?なんだ、あのガキ!?」
「知るかよぉっ!!!」
「・・・・・・・待ちなよ!」

【・・・・ガッ!!】
「わっ!?」
連は、一人の学生をつかみ、足を引っ掛けた。
「・・・・・・」
【グイッ!!】
「・・・・・・中学生だったらわかんでしょ?万引きはダメだって」
「・・・チッ・・・・・・・・!!!こうでもしなきゃやってらんねぇんだよ!!」
「・・・?やってらんない?」
「・・・・・・毎日毎日“勉強”“勉強”で・・・俺らは発散できねえんだよ。ハッ、お前みたいなガキにわかるかよ」
「・・・・わかんない」
「あ?」
「わかるわけないじゃん。そんなの」
「・・・・・!!!」



連は、連に足を引っ掛けられてまだ立ってない学生を、“人を見下す目”で睨んだ。その目に学生はゾクッとした。



「・・・万引きしなきゃやってらんない?そんなのわかんない。わかりたくも無い。バッカじゃないの?発散なんか他にいくらでも出来んじゃん。あんたはただ単に流されて言いなりになってるだけじゃん。身勝手だよね。自分が機嫌悪かったら他人のもの盗んでいいの?・・・身勝手だよね。・・・ああ、それと、あたしのお父さん警察と知り合いだから」





「!!!!!・・・・・・・ゴッ・・・・ごめんっ・・・・!!悪かったっ・・・・!!たっ、た、頼む・・・・!!言わないでくれ・・・・!」

「?おかしな事言うんだね。万引きは犯罪なのに。言ってほしくないんなら最初からやらなきゃいいのに。本音をちゃんと言えばいいのに。バッカみたい。やっちゃいけないことってあるんだよ・・・・!」
「・・・・・・・わかった、わかった・・・・もう、もうしないからさぁ・・・・・!!」
「・・・・フゥ」


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駄菓子屋の前。
「あっ、時野〜!」
「連ちゃん、どこ行ってたんですか〜?あっ、これ連ちゃんの分ですっ!」
「ありがと。・・・ねぇ、緑とかつかっちゃんはさ〜」
「「??」」
「“万引き”したいと思う?」
「!!し、したいわけねえだろ!」
「そうですっ、そ、そ、そんな、万引きなんて出来ません!!」
「・・・そうだよね。まぁ、あたしの“友達”はそんなことしないしね。・・・けど、もしかしたら“犯人”も・・・・・・・・・・・“本音”溜め込んでて、万引きやってるかもね・・・・・・・」
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