作品名:此処に兆一・命動章
作者:七木ゆづる千鉄
← 前の回 ■ 目次
「地球連邦」締結に向けては、もう地球が空間的に一つではない事を明らかにしなくてはならない。その準備は元山の伍四郎・球八・りくが当たる事となった。三人は兆一にこう言った。
「お前(あなた)の一言が地球達の命運を握っている事、ゆめゆめ忘れる事がないようにな」
そして元山では次々と宇宙レーダーが新設された。その数・数百個といった所か。そして丸打の野球場のピッチャーマウンドに立った兆一、
「天!」と一言天指しをした後そのウルトラ・リンガルを駆使してこれから全地球の人々へメッセージを送るべくスタンバイしていた。
その前に元山から全地球に、今銀河系に地球が多数存在している事が知らされた。そして兆一の熱弁が始まるのである。
「全地球の諸君よ、今まで地球はひとつと言われてきた。それは一つにしておかなければ消えてしまうほど命が薄かったからだ。だが我々人類が生まれ命はこれ以上無いほど濃くなった。もう地球は一つではない。少なくとも八つ以上はある。そのうち七つは私達茂野河応援団の手で確立させてもらった。七つには「河」がある。此処丸打からは茂野河、他は木野河・火野川・土野川・金野河・水河・戊野河だ。普通地球には「河」が付く河は一つしかない。そう「黄河」だ。その黄河がある普通の地球である八つ目以降は、ここ丸打から連絡線でつながってもらう。此処に我々から「地球連邦」の締結を宣言させて貰う。初代大統領は、我々茂野河応援団の顧問でもある、この方・七木垓和さんだ」
この後兆一はその場に倒れた。そして垓和は、
「大統領として最初の命令、それはこれから銀河系外からやって来る『脅威』を撃退する事である」と言った。その言葉を待ってか待たずか、銀河系内に大きな怪獣が侵入して来た。茂野河および戊野河の全核兵器がその怪獣を攻撃したが、怪獣はびくともしない。
「此処で俺たちの番だ!」と叫んだ億次郎、全地球にメッセージを送った兆一を助けるんだと、茂野河応援団の他の面々、および零子と五人の娘達にそれぞれの分身ガンダを怪獣目掛けて飛ばした。分身ガンダは分裂再合身して怪獣の周りを何回も回り、怪獣を小さくして銀河系外に放出した。
「これで解っただろう?『地球連邦』の初代大統領は私、七木垓和だ。首都は此処丸打にする。線路で来たい者達は此処丸打駅へ、空から来たい者達は元山から、海から来たい者達は茂野河から来ればいい、条約を締結したい者達よ、此処丸打へ集まりましょう」
そして丸打峠で地球連邦の締結式が行われた。来た地球人はおよそ100人。丸打駅の連絡線にはたくさんの人々が、元山の飛行場・茂野河港にも人々が大勢集まっていた。此処に100個の地球からなる地球連邦が出来上がったのである。
← 前の回 ■ 目次
Novel Collectionsトップページ