作品名:人形達の叫び
作者:りみ
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神社。
「・・・・フゥン・・・・」
神社にあったのは大きな鐘。これがなったためにさっきの大きな音が鳴ったのだ。
「ヘェー、おっきいなぁー!なぁ、時野、青山」
「本当・・・・・何時ごろになるんでしょうね?」

そのとき。

「・・・・・フゥゥ―――ッ・・・・・」
「・・・・・・・?」
誰かがため息をついたことに気づいた三人は、鐘の向こう側を除いた。
見ると、20代後半の男が煙草を吸っていた。
「・・・・・・・?」
「なんだ?・・・そういえば昨日来てたな、陸上部の部室に」
「?あんた陸上部のこと知ってんの?」
「知ってるも何も・・・・・オレはあそこの顧問だ」
「・・・・・・・・ああ。そういえばあそこの校長が言ってた。」
この男の名前――和田和正。(《4 ありえない死亡推定時刻》で紹介が出てます!)陸上部の顧問だ。それにしてはどこか中年っぽくて、顧問には思えない。
「・・・それで?何で陸上部のあんたがここにいるわけ?」
「・・・・ガキにそんな事聞かれる筋合いはねえ。・・・陸上部は毎日ここから学校まで何往復もしてんだよ」
「・・・ここから?」
「ああ。学校からここまでだと、近いけど距離はある。それを何往復もすれば、マラソンしてるのと変わりねえんだ」
「・・・・フゥン・・・・・・・。・・・陸上部は毎日ここを走ってんだ?」
「ああ」
「・・・・・ヘェー・・・・・それって“普段運動して無い人”が走ったら疲れるよね?」
「当たり前だろ。疲れるなんてもんじゃねえよ。バテるだろうな」
「・・・・・・・・・・フーン・・・・マラソン・・・・・・・・・・か。この学校から神社まで、走ると結構離れてるんだ・・・・・。わかった。・・・・フフッ」
「!」
そういった連は・・・・、誰もが連の印象を“トロそうな子”と思っていたし、和正もそう思っていた。だが今の連の目は・・・カッコよくて、とてもトロそうには見えない、堂々とした目だった。
「・・・・・あんたも容疑者の可能性があるんだ?」
「なっ!!!???なにっ!?」
「冗談だよ。・・・緑、つかっちゃん、行く?」
「あ、ああ」
「ハイッ」


三人が言った後で、和正は「チッ・・・」と舌打ちをした。

「・・・・・・あいつら・・・・、“あのこと”を調べる気じゃねえだろうな・・・・・・。・・・・あのことだけは知られちゃならねぇ!!何のためにあいつらが死んで一晩中喜んだと思ってる!!・・・・・あのことだけは知られちゃならねえんだ・・・・!!ガキにでも・・・・!!!」
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