作品名:Who is she
作者:InVillage
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―――5日目―――
「悠介さーん!朝ですよー」
僕を起こした彼女はいつものように元気だ。
「おはようございます。今日はサヤカさんに話があります」
「何ですか?」
「矢野崎公園に行きましょう。そこで話します」
「はい。じゃあ門の所で待ってますね」
―――矢野崎公園
僕達が最初に訪れた場所だ。
なぜだか、僕はここで話さなければいけない気がした。
ここに来るまで彼女は楽しそうに何かを話していたが、僕はほとんど聞いていなかったし、喋らなかった。しかし、ベンチに座ると僕は心を決めて話し始めた。
「サヤカさん、今日は話があります」
「なんですか?そんな改まって」
「親父にサヤカさんの事を聞きましたよ。今日はサヤカさんに本当の事を話してもらいたいんです」
彼女の機嫌が急に悪くなったのが感じられた。
「悠介さん、世の中には知らない方が良い事もあるんですよ」
僕も知りたくなかった。
「残念ですけど、僕は真実を聞いてしまいました。だから、これはハッキリさせないといけません」
「そうですか…残念です。わかりました。聞きましょう」
「サヤカさん、親父に雇われたって嘘ですね?」
「はい。嘘です」
「なんで、こんな嘘をついたんですか?」
「悠介さんが好きだからです」
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