作品名:なんちゃってソードレボリューション
作者:殻鎖希
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ミレア「前回の座談会で、えらく格好悪い人がいた事が判明したわね」
フィズ「シクシクシクシク……」
エリ「三六、三六、三六、三六……」
フィズ「って、九九の勉強してるんじゃないってば。
 次行くぞ、次。今回のテーマは、俺の相方、ミレアについてだ」
エリ「ミレアちゃんって言えば、アレだよね〜」
ミレア「……何が言いたいのかしら?エリちゃん」
エリ「出番が少ない人〜」
ミレア「……ホホホホホホ」
エリ「……笑いながら、エリのほっぺたつねったって誤魔化されないよ〜。
 調査してみたんだけど〜、ソドレボ2終了時までにミレアちゃんが最初から最後までキチンと登場してる話って〜、ほとんどないんだよ〜」
フィズ「そういや、アインの村で人喰い花と闘ってた時には何で来てくれなかったんだったっけ?お前」
ミレア「あの時は私にも別件の仕事が入ってたでしょう!」
フィズ「スクールで、コピーマンが暴れ回った時の事件は?」
ミレア「あの時は依頼状に、貴方一人で来る様にって書いてあったじゃない。
 第一、あの事件の時には、私キチンと手助けに行ったわよ。遅れはしたけど」
フィズ「じゃあ、あの時はどうして来なかったんだ?卒業試験場で、シギのヤツと闘った時」
ミレア「あの時は貴方が一人で行くって言い出したんでしょ!」
フィズ「おぉ……そう言えば」
ミレア「て言うか、あの時の貴方は何でもかんでも一人で背負い込みすぎよ。私もヘル君も、心中じゃ全然納得してなかったんだからね!」
フィズ「うぅ……そこを突かれると正直痛い」
エリ「ご主人様って〜、結構背負い込んじゃう癖があるよね〜」
ミレア「フィズの場合は責任感が強いんじゃなくて……もしかして、ただの根暗?」
フィズ「その発言は聞き捨てならん!
 そもそも今回はお前の話だろうが。話題を元に戻すぞ。そう、『ミレア・タガーノは本当に準主人公的存在なのか?』についての話!」
ミレア「……なんか、議題変わってない?」
フィズ「い〜や、同じ事だ。そんだけ出番が少なかったら、レギュラーキャラかどうかも怪しくなるぜ」
ミレア「い……言うわね。
 でも私、闘いではほとんど負けた事ないわよ」
フィズ「……へ?そうなのか、エリ」
エリ「うん、そのと〜りだよ。
 ミレアちゃんはこれまでに三度闘ってるの〜。その相手はぁ、マキとリザードマンに〜、それから肉人形。ミレアちゃんは〜、どの相手にも一度も負けた事がないの〜」
ミレア「ホラホラ、私って本当は強いんだから」
フィズ「いや、待てよ。マキの時にもリザードマンの時にも肉人形の時にも、確か俺が一緒にいたよな。て事は、ミレア一人が強いんじゃなくて、俺とミレアの二人が強いって事になるぜ」
エリ「でも、ご主人様一人だと勝率が下がるって事は〜、前回の座談会でも話に出たよね〜」
フィズ「なっ!いや、それはだな……」
ミレア「ふっふ〜ん。
 どう?どう?やっぱりこれって私のサポートが良いって事じゃない?」
エリ「うん。エリもそう思うよ〜」
フィズ「……そうなのか?」
エリ「だってさぁ、マキと闘った時もぉ、決め手はミレアちゃんの《這い進む火の粒手》だったんだよ〜。リザードマンの時だって〜、ミレアちゃんに言われなかったら、敵の鱗の事に気が回らなかったんじゃないの〜?」
ミレア「そうよ……確かにそうだわ。
 ちょっと、私って実は本当に凄い人なんじゃない?」
フィズ「……確かにな。その判断力と行動力、大したもんだ。頼れる相棒だよ、お前は」
ミレア「あら?随分と素直に認めたわね。
 どう?やっぱり私は立派な準主人公よ」
フィズ「出番少ないけどな」
ミレア「その事は言わないで……」

フィズ「前から気になってたんだけどな。ミレアの本当の両親ってどんな人なんだ?」
ミレア「え?……私の親?」
フィズ「ああ。お前の本当のお父さんとお母さんさ」
エリ「おぉ……これはもしかして、ソドレボの裏設定が聞けちゃうんでしょ〜か?
 どうなの〜、ミレアちゃん?」
ミレア「う〜ん……実ははっきりと覚えてないんだよね。
 義父さんの所に引き取られた時の事ですら、朧気にしか覚えてないもの」
フィズ「まあ、無理もないか。あの頃、俺もお前も小さかったもんな。
 あの頃は、オヤジも鍛冶屋の仕事で毎日忙しそうにしてたっけ」
ミレア「そうそう。あの時は義母さんも、まだ元気だったのよね」
エリ「……義母さん?」
ミレア「うん……ヘル君のお母さんで、クリマさんの奥さんにあたる人よ。ヘル君を産んでから、すぐに亡くなってしまったの」
フィズ「俺の母さんも、ガキだった俺を遺して死んだんだ。伝説の男の妻ってのは、短命なのかも知れねえな……」
ミレア「私ね、本当の両親の事を義父さんに訊ねた事があるの。でも、義父さん答えてくれなかった。
 ただその時に、他大陸の出身なんだって言う事だけは教えてくれたのよ」
フィズ「成程ね……ミレアの出生については、何やら秘密がありそうだな」
エリ「今後の物語で〜、語られるんじゃないの〜?」
フィズ「さあてな。そいつは作者次第だろ。
 まあ、俺達がラスロウド大陸の外に旅に出る様な事があれば、ミレア出生の地に足を運ぶ事もあるかも知れないな」
ミレア「本当のお父さんとお母さんか。
 一度会ってみたいなぁ」
フィズ「俺は……母さんならともかく、父さんになんか絶対に会いたくないけどな」
ミレア「素直じゃないなぁ……フィズは」
フィズ「うっせえな……俺の父親はクリマ・セイル一人だけなんだよ」
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