作品名:人形達の叫び
作者:りみ
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「・・・あ!」
パトカーの中で、つかっちゃんが思い出したように声を上げた。
「??」
「・・・死亡推定時刻、ってどうだったんですか・・・・?」
「・・・ああ、あれか・・・・。・・・司法解剖もして、調べたんたが・・・・やはり、死亡推定時刻は“午後2時前後”だ。・・・生きていた時間と矛盾してる・・・・」
「・・・午後2時ねぇ・・・・、そんな時間だったら、皆学校で勉強してたんじゃない?」
「・・・ああ。・・・・一宮沙耶香は生徒会長だから、学校にいても常に生徒会の役員をしてて、その時間帯も生徒会室にいたということを、同じ役員が証明してる・・・・、それに、東城美希の事だが・・・殺された坂東たちにいじめられてたらしい。それで、校庭の裏側で金を取られているのを生徒が見たそうだ」
「・・・なんでその生徒は止めなかったの?」
「さぁな・・・・、標的が自分になるのが嫌だったんだろうな」
「ふぅん・・・・・、それじゃあまるで人形じゃん。“あの人の目”と同じで・・・・、・・・・ま、本音を口に出来なくて親の言いなりになってる人形って・・・多いけどさ。」
「・・・・・・・・・・・・・ま、今のガキには多い話だ。・・・浅野亜紀にはアリバイがない。午後2時のな。」
「・・・・けど、いろんな人が、午後5時半くらいに生きてたって、言ってんでしょ?・・・・・なんかあるんだよ・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・、それもそうだし、“動機”があるのは、浅野亜紀と東城美希・・・・、一宮沙耶香には何の関わりもない。・・・だけどそっちの方が怪しいし・・・けどなぁ・・・・・、ア〜〜〜!クソ!!分からなくなってきた!!」
「・・・おじさん、前見てよね。・・・あ、緑の家」


そして、緑は家に着いた。その後つかっちゃんも家につき、最後に『時野探偵事務所』についた。
「・・・、ひょっとしたら、呼び出すかも知れねえぞ」
「?なんで?」
「さぁな・・・・・、お前のほうが警察より賢そうだからだ」
「?・・・あんまり早いとお父さんに将棋の相手させられるから、もっと遅くてもよかったのに・・・・・」
「将棋?」
「・・・面倒くさいけど、やって買ったらお小遣いもらえるから」
「クッ・・・そういえばアイツ、将棋強かったなぁ・・・、お前勝ったことあるのか?」
「・・・・ほとんどあたしが勝つ」
「・・・・・・この事件、解決できると思うか?」
「・・・・・、将棋と同じじゃない?“バラバラの駒”を繋げていけば勝てる・・・・・、“アリバイ”“死亡推定時刻のトリック”“動機”・・・これをつなげてけばいいじゃん。・・・おじさんならできると思うけど」
「・・・そうか・・・・、分かったよ」


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事務所内。(=家の中)
「おっ!連!!将棋やるか?」
「・・・来たよ・・・・、・・・いくら賭ける?」
「ん〜〜・・・、負けた方は、勝った方のケーキを買うっていうのは?」
「乗った」
そして、連と庄治の将棋が始まる。


10分後。

【パチン!】

「・・・・はい」
「!!!・・・・また負けた・・・」
「まいど」

すぐに連が勝った。そして、庄治がケーキ屋に出向いてる間、連は事件のことを考えてた。


(・・・面倒くさいなぁ・・・・・、でもおもしろいことになってきたじゃん・・・・・死亡推定時刻がズレてる・・・・・・、・・・そもそも、凶器は“銃”・・・撃った音がするはずなのに・・・・なんで誰も発見しなかったのかな・・・・。・・・銃の音を掻き消すくらい大きい音がしてた・・・・・??)



この連の推理は大方当たっていた。
そう、銃の音を掻き消す“あるもの”がそばにあったのだ・・・・・。
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