作品名:トリガー
作者:城ヶ崎 勇輝
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    終幕

 それから数ヶ月
 吉川千惟は手にハイテクな義手を取り付けてDrハカセの助手をしている姿が見えた。
ハイテクな義手は普通の手と同じくらい使い心地がよく、Drハカセの指示にせっせと働いていた。
近々、千惟は自立して近くの大学の教授になるそうだ。試験は一発合格とのことだ。
 司令官、宮本正は自衛隊に残り、今まで教えてきた事を自衛隊のエリートであるレンジャー部隊の隊員の育成を任された。
彼の厳しさは群を抜いており、周りからは『戦場帰りの宮本』と言われている。
 国会の庭園に87人の死んだシューティング隊と100人を超えるクラックエイジ隊員をまつる慰霊碑が建造された。千人を超える人が黙祷を捧げた。もちろんその中には鳥牙と千惟がいる。
 そして、神谷鳥牙は周りからの支えもあってみごと衆議院議員に選挙で選ばれた。
城崎の目指す憲法はすぐに改正された。改正後の憲法はアメリカの日本国憲法とは一つだけ違っていた。それは、日本は永世中立国になることを認めたと言う事である。国連は日本に十分な自衛能力があると見てこれを承認した。
 妻のたみと娘のなみは普段通りの穏やかな生活を送っている。
 城崎を除くクラックエイジの生き残りも更生し、日々多忙な生活を送っているらしい。
 そして数日前、神谷の元に吉川の手紙が届いた。
“今度暇なときがあったら、ワイルドバーガー食べ行きはろ!もちろん家族をつれて、大阪店のワイルドバーガーに行くんやで。あのときはアタシが東京行ったんやから(笑)。そのあと、アタシのうちに来てお茶でもしはろ!”
鳥牙はこれを見て思わず微笑んだ。あまり暇な時間はないけど、あったら行って、そして思い切り楽しもう!

 神谷はいまなお、日本の引き金となっている。



    あとがき

どもども、城ヶ崎勇輝(じょうがさきゆうき)です。
初のアクション小説です。まだまだ動きが少ないですね…。
それはそうと、この小説は一体何を込めて書いたか、わかりますか?
戦争反対。友情。絆…。そんなことはもちろんです。しかし、私はそれ以上に、今の憲法の大切さを訴えています。
もちろん読んでいるあなたたちによってこの小説の捉え方は違うと思います。別にそれでかまいません。
またいつか会う日まで、また私の名前が載っていたら…そっと読んでやってください。
お願いします。
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