作品名:RED EYES ACADEMY V 上海爆戦
作者:炎空&銀月火
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夢…だよな?
暗闇の中で凛は呟いた。彼女の周りには、押しつぶすような闇。レッドアイである凛の視力を持ってさえも見通すことの出来ないただひたすらの黒。
その中で、小さな紅がきらめいた。とりあえず向かってみる。歩くに連れて小さな紅はどんどん膨張した。
「…禍々しい色だな…」
血のように赤い色。彼女のトラウマであり、また瞳の色でもある、紅。
光が凛の顔ほどの大きさになった。ちょうど顔のところに浮かんでいる。
「…っ!」
突然、光が爆発。咄嗟に頭を庇った手に、液体の感触。
「!」
恐る恐る開いた目に、強烈な光景が飛びこんだ。
前にあったのは、紅い海。
―そして、赤にまみれた自分。
ドクン…
彼女の心臓が、音を立ててきしむ。紅い眼が大きく開き、虹彩が広がる。
「う…あ…」
呻き声を上げる彼女の中で、何かがはずれた。
瞬間訪れる激痛。細胞が砕け、遺伝子が飛び跳ね、体中が書き替えられる。
「ぎゃあぁぁあぁぁぁあああああ!!!!」
血が、自分の中の獣が、雄叫びを上げた。
コツ、コツ
静かな足音が、だんだん近づきドアの前で止まった。しばらくためらう素振りを見せて、一つの人影が滑り込んでくる。彼女が後ろ手に閉めたドアには紅い文字が浮かんでいた。
“資料室”
本棚だらけのその部屋は、ハッキングを防ぐためにわざとデータ化されなかった文書が保管されていた。
大量の本の中から、迷わずに一冊を取り出す。青い表紙のファイル。変わった書体で「反逆者名簿」と書かれていた。
パラパラとめくっていた手が止まる。彼女の目線の先には、一枚の写真があった。その下には小さな文字で説明が書き加えられている。
“潮沢 凛 Rin Shiozawa
一九九二年六月一八日、ロシアチェルノブイリに生まれる。その後、両親を暗殺、彼女のみを確保。その後、アカデミーのサクセサークラスに編成。二〇〇四年、学習プログラムを全て終了、通常戦闘部隊勤務を経た後、特殊暗殺部隊に異動。しかし、その直後にアカデミーを脱走。現在も逃走中”
脱走から、一年がたった。
―一年だけ、平和だった。
登場人物
潮沢 凛
一四歳。世界にごく少数存在する人類亜種、レッドアイオリジナルとして生まれる。世界で確認された五人目のオリジナルである。一年前、アカデミーを脱走後行方をくらましている。職業:暗殺者
李 小牙(リ・シュガ)
凛の脱走直後に中国に入国した中国人の少年。現在は上海のスラム街でストリートチルドレンをしている。職業:大道芸人
金 青爛(キム・セイラン)
上海金色雑伎団の団長。親の世代までは上海マフィアのボスだったが、没落。現在は変人だが頼れる団長として団員に好かれている。職業:雑伎団団長
羅 将志(ラ・ショウシ)
雑伎団団員。上海金色雑伎団の中では組技のメンバー。小柄で、微妙に目つきが悪い。
孫 宗利(ソン・シュウリ)
雑伎団団員。金とはマフィア時代からのつきあい。小牙に軽業を教える。カンフーが得意。ヌンチャク、トンファを使う。
呉 司乎(ゴ・シカ)
雑伎団団員。刀を使った芸をする。麗香の兄。小牙と仲がいい。
呉 麗香(ゴ・レイカ)
雑伎団団員。兄のアシスタントも勤める、軽業師。小牙と仲がいい。
後書き?
どうも、銀月火です。なんか更新滞ってしまってスミマセン。と言うかPC触る時間が殆ど無いので、ドバッと出して、ドーンと停滞というダメ作家の典型のような出し方になっております。ご了承ください…。
なんか、この小説、書いてから一年経ってるんですが、作風変わったなぁ…今、こんなに血出ません。ってか、あんまりケガさせたら逆に呪われて…ま、気にしないで下さい。正直、過去の作品見るのって未熟さが1,5倍増しぐらいで見えてあんましすかんのですが…うん、なんとかなるさ!いや、なんとかなれ!
ではでは、引き続きREAVをお楽しみ下さい。
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