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>▼ >【花野】 >村上 博子 詩 > >祖母たちは歌った >繰り返し、繰り返し、琴にあわせて >また 一節の青竹の笛で >哀しく 美しい契りの歌をうたった >かれらの生まれ育ったふるさととの契り >陽と雨と風と秋の実のり 嵐と飢え 涙と愛の歌 >のがれられないきびしい定めの歌を > >今 秋の野を歩むわたしの胸に >かれらの嘆きがあふれてくる > >お前は歩むがいい >お前の血の中で祖母がうたい続ける >あの秋風の子守歌のままに >祖母と共に いのちの歌をうたいながら >ふみしだく草の合間に咲き乱れる >桔梗 おみなえし やさしい撫子も >とぎすまされた秋の光に きらめく露を宿している > >花は待っている 花の名を呼ぶ者を >野は夢みている 野に臥す者を >夜もすがら草かげに鳴く虫達のように > >花と契りを結ぶ者は >その色で秋の衣を染め その露に袖をしぼり >野辺に冬の陽が明けそめる日まで >遠く果てしない花野を歩んで行く >歩んで行く > >▼ >
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