[馬の耳に風]

MAKING APPEND NOTE
自動車保険 への返事
 この坂は二、三月頃の雪の多いときは全く気持のよい斜面で、二、三人もいてスキーの練習をしていれば実に愉快なところである。それに山の方が随分ひどく荒れていてもここは高度が低いのと、ブナの林の中なのでスキーの練習ができないということはない。僕は去年の正月、ここで一週間降り込められて弘法までさえ行けなかったが、ちょうど一緒になった名古屋三菱のパーティとともにブナ坂で転び廻ったり、小屋番や案内人と兎を追っかけたりして遊び、夜はストーブを囲んで山の話にメートルを上げる等、実に愉快な合宿気分を味うことができた。
 案内はいろいろと面白い話をしてくれた。兎を手掴みにする話や、つかまえるとニャンニャンと泣くとか、あれでもなかなかかしこく自分の行方をくらますため適当な隠れ場所があったらそれを横目で見ながら、なおしばらくはピョンピョンと飛んで行って後、附近に恐いギャングはいないかと周囲をきょときょと見廻し、やおらその隠れ場所のところまで前の足跡を乱さないように伝い、そこで大きくジャンプしてその孔に飛び込み、決してそこには足跡をつけない等と言った。こうしておくと兎の大敵貂等に足跡を伝われても安全だということだ。夕方から気温が下り雲が動き出して天候快復の兆が見えてきた。明日の準備をして早くから床へもぐり込む。

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