さうぢやねえつたら Ryou 2014/04/10 20:28:42
さうぢやねえつたら [返事を書く] | ||
友吉。さうぢやねえつたら、わからないかなあ。 お種。ぢや、あたしがかうしてるから行つて御覧なさい。 友吉。(行く真似をしかける) お種。行くなら、かうするわよ(友吉の喉を締める真似をする) 友吉。おい、止せ。 お種。ぢや、どうしても行く気なの。 友吉。そんなことしちや、息がつまるぢやねえか。 お種。(急に手をゆるめ)そんなら、あたしを殺してから行くならいゝわ。 友吉。そんなことしたら、行く前につかまつちまはあ。 お種。あたしが、自分で死んであげるわ。 友吉。そんなことして貰ひたかねえよ。 お種。貰ひたくなくつても、してあげるわ。よくつて、見てらつしやい。(急いで、流しから刃物を持つて来る) 友吉。(戯談にして)あぶねえつたら……。(刃物を取り上げようとする) お種。(それを渡すまいとする) 友吉。云ふことを聴かねえか。 お種。それは、こつちで云ふ台詞よ。こら……。(と云ひながら、いきなり、刃物を自分の喉に擬する) 友吉。(慌てゝそれを制する) お種。放して……放して……。 友吉。おい、馬鹿、止さねえか。(刃物をもぎ取る) お種。死ぬのには、別の方法がいくらもあつてよ。 友吉。(途方に暮れて)悪巫山戯はよしてくれ。 お種。巫山戯てると思つてるの、あんた。 | ||
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[馬の耳に風]
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